四 面 楚 歌
  
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 四 面 楚 歌 

   

   通っている中国語教室で使っているテキストに「覇王別姫」と言う名の京劇の話が出て来ました。 司馬遷が著した「史記」に載っている「四面楚歌」の故事に基づいた京劇とのことで、余力が有 るようなら調べてみなさいと先生から言われたので早速ネットで調べてみました。
   ネットには幾つかの記事が出ていて、この中で ”四面楚歌 項羽本紀第七 史記 漢文  I think therfore I am !” が詳しい記述である様に感じたので、 ほぼ丸写しで紹介します。
    日本語訳は以下に記すとおりです。 なお、「虞や虞や汝を如何にせむ」 の件だけは、私の古い 記憶にポツンと残っていました。

   

   四 面 楚 歌  
    項王の軍は垓下に籠城していた。
    兵は少なく、食料は底を尽いていた。
    漢軍及び諸侯の兵は、項王の軍を幾重にか包囲していた。
    夜、漢軍が、四面、皆楚の歌を歌っているのを聞き、項王は驚愕して言った。
    「漢は、すでに楚の全土を制圧したのだろうか。
    なんと楚人の多いことか。」
    そこで、項王は夜起きて幕営の中で酒を飲んだ。
    虞という名の美人がいた。
    いつも項王に寵愛され、付き従っていた。
    また、騅という名の駿馬がいた
    項王はいつもこの馬に騎乗していた。
    ここに至り、項王は悲しげに歌って嘆き憤り、自らこのような詩を作った。

   

       力は山を抜き 気は世を覆った
       時に利無く 騅は進もうとしない
       騅が進もうとしないのを どうすればよいのか いやどうしようもない
       虞よ虞よお前をどうすればよいのか いやどうしようもない

   

    数回歌い、美人もこの詩に応じた。
    項王は幾筋かの涙を流した。
    側近たちも皆泣き、仰ぎ見ることのできるものはいなかった。

2011年1月30日

   
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