満足できる補聴器
  
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 満足できる補聴器 

   

   10年ほど前から耳の聴こえが悪くなり、とうとう普通の会話にも差障りが出るようになっ て、6年前に決心して補聴器をつけるようになりました。 ところが、補聴器なるもの なかなか の曲者で、聴こえ方に対して満足できない状態が続きました。 本来ならば、聴こえない音が 聴こえるだけで有難いと感謝するべきでしょうが、少し慣れてくると色々と不満が出てきて、も う少し良くならないか、もう少し何とかならないか、と人間の欲は限りがありません。
   補聴器を使い始めて5年目を迎えたころ、補聴器屋さんから遠回しに買い替えを勧められ るようになり、自分としても使っている機材の限界のような気がしたので、別の機種を探し始め ました。 間もなく、自宅から歩いてでも行ける距離の眼鏡屋さんを訪ねたところ今使っている 機材を勧められました。 音を聞いてみたらビックリするくらい良い音で、これまでの不満が全 て解消されるような気がしました。 それでこの機材を購入し、約半年かけて調整をしてもらっ た結果、聴こえ方は満足できる状態になりました。 以下、その経緯を整理しました。 何かの 参考になれば幸いです。
   
1.難聴を自覚しましょう
   先ず大切なのは、自分が難聴であることを自覚することだと思います。 即ち、生まれ 持っていた聴力のかなりの部分は既に失っています。 補聴器は難聴という病気を治すもの ではなくて、あくまでも残された聴力を有効に活用する手助けをしてくれるに過ぎません。 だ から、補聴器をつけても健常な人と同じようには聴こえません。 その最たる現象として、健常 な人ならそんなにはうるさくない環境でも、補聴器を着けていると、騒音が大きくて騒がしく感 じます。 それはその筈、小さい声を聴こえるようにしているので、小さい騒音も大きくなってい るからです。 この騒がしさも慣れてくると苦痛にはならないのではなかろうかと期待していま す。
   
2.聴力測定は誤差が大きい、感覚を他人へ伝えるのは難しい
   次に、最近のデジタル式の補聴器はいろいろなタイプの難聴に対応できるようになってい ますが、自分にピタリと合うようにするのが極めて難しいとの事情が有ります。
   先ず第一に、聴力測定は誤差が大きいのではないのでしょうか(脚注1)。 補聴器は聴 力測定結果を反映して調整しますが、元になる測定データに大きい誤差があるのでは自分に ピタリと合う訳がありません。 私が検査を受けた時の感じでは、検査機器のヘッドホンの性 能には疑問を感じますし、スイッチを押すタイミングもいい加減だったと反省しています。
   また、聴こえ方なる感覚を お店の調整してくれる人に伝えるのが極めて困難です。 自分 の聴こえ具合をどう表現すべきなのかが見当も付きません。 こんな具合でお店の人に話した として、お店の人も何をどうすれば良いかが分からなくて、全く見当違いの調整をすることもあ るのではと思います。
   今回、私自身の補聴器を調整してもらうに当たって、これらの問題点を解決できると思わ れる一つの方法を考案(脚注2)し、お店(近くの眼鏡屋さん)にお願いして実践してみました。  結果は、三、四回の調整で大体のところは自分に合うようになりました。 しかし、補聴器側に 予期しなかった問題点が有ったのと、その他の細かい点と合わせて完全にピタリと合うには半 年くらい掛かりました。 
   
3.補聴器を買うならできるだけ近いお店で
   近年のデジタル式補聴器は如何なるタイプの難聴にも対応できる反面、多くの調整個所 を適切な状態にするためには度重なる調整が必要になります。 その為に お店には頻繁に通 うことになります。 また、調整が完了した後も、定期的な掃除が必要です。 私の場合、音の 出口に耳垢が詰まって突然聴こえなくなったことが何回かあります。 頻繁に通うとなると、お 店が遠いのは不便です。 近くは何といっても便利です。
   
≪脚注1≫
   聴力測定のキザミは 5dB です。 測定の際にスイッチ操作が適正でないともう1段階程度 誤差が大きくなります。 それに対して、人間の感覚には 1dB の違いが問題になるようなの で、補聴器の調整データとして、聴力測定結果をそのまま使うのは粗すぎます。
≪脚注2≫
   健常者が同じ大きさに聴こえる2つの周波数の音を交互に発生して、補聴器を通した音 が同じ大きさに聴こえるように補聴器の各チャンネルの利得を設定します。 健常者が同じ大 きさに聴こえる周波数毎の音の強さは 『ISO226 等ラウドネス曲線』 に示されています。

2019年12月18日

   
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